医学論文の書き方のコツ

医学論文は、医学や科学の研究活動を文字で記録したものであり、書面でまとめたものです。医学や科学の研究活動にとって欠かせない要素であると共に、学歴や学位の必要条件でもあります。医学分野の先端を行く科学研究の成果を広く伝えることになります。研究者にとっては苦労の結晶であり、人類全体にとっては医学の発展や科学の進歩の原動力でもあります。

そうした研究に携わる人は、常に医学論文を書くことによって自分の視野を広げ、国内や海外の医学の動向を把握することができます。その上、科学研究力・リサーチ力・教育能力だけでなく、業務レベルも高めることができます。

論文が発表されることは、社会に認められ、プロジェクトが成果を得るために必ず通らなければならない道です。鏡がすべてのものを映し出すように、医学論文を見ればその国又はその大学の医学・科学水準や仕事スタイルだけでなく、人材やレベルまで手に取るようにわかります。

医学論文の書き方をレベルアップするために、論文の書き方に必要な5つのポイントをお伝えしたいと思います。

1.発想的なこと

医学論文は専門性や探求性の高い文章です。その基本的な役割は、未知の事柄を探求することです。具体的に言えば、先人がかつて提起したことのない問題を提起し、先人が解決したことのない問題を解決します。とは言っても、医療に関する国の政策を具体的に示す必要もあります。理論を貫き、それに合った方針の実践や普及や改善も必要になります。医学・科学の重要な進展を映し出しながら、国内や海外の医学界との学術的交流を促すものともなります。医学論文の良いテーマが生まれるためには、その前に良いアイディアが必要です。良いテーマが生まれてこそ、良い結論が引き出され、最後に良い論文が発表されることになります。

2.創造的なこと

科学でいちばん大事なことは新しいものを生み出すことです。絶えず新しいものが生まれてこそ、人類社会の進歩があります。それは、医学や科学も同じです。「生み出す」と言うからには、誰かがすでにしたことを繰り返すのではありません。先人が行なったこともなく、発表したこともない「発明」や「創造」を医学論文の主な科学研究成果として伝えます。「新しいもの」というのは、ほとんどの人が知らない情報を医学論文で提供することです。つまり、基礎医学や臨床医学、医学関連分野といった三つの分野についての研究課題です。誰かの研究をベースにして自分の新たな見解を持つことによって、新たな理論や技術が生み出されます。ある程度の新しいものを生み出してこそ、新しい角度から新たな成果が映し出されます。

3.科学的なこと

医学論文のレベルを評価するための主な条件は、論文が科学的であることです。医学論文を評価する時に主に見る点は、科学研究が厳密で合理的であること、方法が正確であること、資料が完全で信頼できること、根拠が正確で統計学の要件を満たしていること、結果が科学的に厳密であること、結論が妥当で十分な根拠を備えていることなどです。医学論文の書き方が科学的であるためには、厳しい態度と姿勢と方法が必要です。そのほかに必要な5つの点も後述します。ご存じの通り、医学論文をソース別にすると次の通りに分けることができます。

(1)原著(論著、著述、短いレポートを含む)と編著(教科書、参考書、専門書、文献、要約、講座、テーマ筆談、テーマ討論などを含む)の2種類。

(2)論文を書く目的による分類。学術論文と学位論文の2種類。

(3)医学の分野や課題の性質による分類。基礎医学、臨床医学、予防医学、リハビリテーション医学の4種類。

(4)論文の研究内容による分類。実験研究論文、調査研究論文、資料分析論文、経験体験論文の4種類。

(5)論文の論述形式による分類。論著、文献、要約、論評、講座、技術と方法、個別報告や医学科学普及論文など。

 

自分の研究やリサーチ資料の内容に応じて、ふさわしい体裁の論文形式を選びます。まず、厳しい態度を持ち続けることが必要です。きちんとした考え方を持ち、科学に真剣に向き合います。事実を誇張することもしません。そうすることによって質の高い論文を書くことができます。二つ目に必要なのは、厳粛な姿勢を維持することです。厳粛さがなく、気持ちが浮ついていると、自分の研究に深く取り組むことができません。別の意見によって自分の見方や実験プロセスを簡単に変えてしまうこともあるかもしれません。いずれにしても、正確な結論に至ることはできません。三つ目に必要なのは、厳密な方法にこだわることです。どの実験や臨床観察でも、厳密な計画や手順を必要とします。厳密な操作や関連手順を用いる時に、自分の科学研究デザインや論証を勝手に変更することなど認められません。ですから、良いテーマを選び、良いデザインを練ることが良い医学論文を生み出すためには必要です。また、具体的に実施することと真剣にまとめることも必要です。それらの段階を一つ一つ踏んで、厳しい態度と姿勢と方法を崩さないことです。普段からテーマもなく、デザインや素材もない人が思いつきで論文を書こうとすることがあります。普段からの蓄積もできていないのに、思いつきで論文を書き上げるなど到底不可能です。少しの思い込みも、少しのごまかしも医学論文には決して許されないのです。次に、医学論文に現れているべき5つの点をお話しします。

(1)真実性を表すこと

医学論文には、信頼性の高いデータが必要です。オリジナルの資料や記録があるだけでなく、実験結果も事実とテーマに必ず忠実でなければなりません。誇張も一切ありません。実験データとデザインとに相違があるからと言って、手順や操作方法を簡単に変更することはできません。実験が失敗しても、失敗の真の原因がわかれば、成功した時と同様に価値のある論文をまとめ、発表することができます。論文によって、後に続く研究者にどの面で行き詰まっているかを知らせることにもなります。それによって、後に続く研究者は多大な労力や物資、そして貴重な時間を節約することができます。

(2)再現性を表すこと

医学論文は、臨床や実験による観察で得られた結論を伝えます。そこで採用した実験対象、実験方法、実験器材や実験手順、得られた結果はすべて、別の誰かが別の時間に別の場所で繰り返したとしても、同じ条件下であれば、同じ結果を得ることができなければなりません。例えば、誰かが書いた医学論文が海外の医学雑誌に送られたとします。その雑誌社には厳しい審査・編集過程があります。必要に応じて、対応する機関がその論文結果を再現します。その信頼性を考察した上で、状況に応じて発表するかどうかが決定されます。

(3)正確さを表すこと

医学論文のデータは正確であることが必要です。検討を重ねた上に、統計学的処理もされている必要があります。また、論文中の引用文は、著者自身が目を通した文献資料でなければなりません。引用する際の言葉の使い方や専門用語も正確さを期す必要があります。論文が導き出す結論は論理的で、正確に表現されていなければなりません。ですから、論文の完成前に、句読点であれ、文字やデータであれ、一つもミスがないよう正確にチェックする必要があります。

(4)論理性を表すこと

医学論文の書き方には、綿密な構成、明確な筋道と概念、適切な判断、論理的な推論が必要です。概念がはっきり見えないために判断も不適切になってはいけません。証拠不足や論証不足によって、見解がはっきりしなくなるのももってのほかです。現在、それぞれの雑誌社によって医学論文のフォーマットに対する要求は異なります。ですから、論文を執筆する前に、投稿したい医学雑誌に必ず目を通し、それぞれの雑誌に対応する「投稿心得」や「投稿規定」を知っておきましょう。通常の場合、タイトル、書名、概要(目的、方法、結果、結論)医学件名標目、本文、参考文献などから多岐にわたって全体を把握します。

(5)公正性を表すこと

医学論文の著者は、自分や他の人の研究成果を客観的かつありのままに評価すべきです。物事を一面的に見ることや偏った言い方は避けなければなりません。臨床試験の結果をありのままに反映します。勝手に取捨選択したり、偶然に起きた現象を排除したりしてはなりません。また、他の人の科学研究の成果や文献資料を引用する時は、その著者への敬意を示し、公正さを期すために、必ず自ら目を通し、出典を明記します。

4.実用的なこと

発表された医学論文には、医学にとって実用的な価値があります。また、社会的に認められる労働の成果でもあります。論文発表の最終目的は、同業者が参照したり、見倣ったりできるようにすることによって、医学の発展に寄与することです。現代的なニーズの点から言えば、医学論文の中には病気の予防や治療といった実際的な問題を解決したものがあります。そうした論文には実用的な価値があります。また、将来に目を向けて、医学や科学技術の発展を促したものもあります。そうした論文には理論的にも社会的にも大きな価値があります。

5.読みやすさ

医学論文を書くのは、新しい医学情報を交換し、広め、蓄積するためです。あまり多くの時間や労力をかけずに、論文の内容と本質を理解してもらえるように読みやすくなければなりません。そのためには、綿密な構成や明確な筋道が必要で、言葉の使い方も正確でなければなりません。また、文章の筋が通っていること、文体がわかりやすいこと、読みやすいことも求められます。

通常、論文を読む場合、まず論文の概要に目を通します。概要は、通常300字から500字程度です。英文の概要は割と具体的(約600ワード前後)で、その内容には目的、方法、結果、結論の四つの部分が含まれます。それは論文全体の内容を高度に凝縮し、抽出したものと言えます。論文全体の真髄でもあり、魂そのものでもあります。読者は、論文の概要に目を通して、その価値を見極めてから、さらに詳細な内容に目を通し、さらにそれを適用する段階に進みます。ですから、概要は本文と同じくらい大切です。例えば、2~5個の医学件名標目をインデックス化するとします。主述目的文を主とした本文の語句構成は、血や肉のある実体そのものです。読者に文章の鼓動や精神に触れてもらい、論文の考え方やテーマを感じとってもらうためにも、読みやすさは必要です。

このように、医学論文の書き方で基本的に求められていることを上記のように5つのポイントにまとめました。それらは、医学論文の書き方で核心を突く要素でもあります。要するに、事物の本質を客観的かつありのままに反映することが必要です。事物の内部規律を反映すること、感性による認識から理性による認識に至るまでのプロセスを完成させることも大切です。できる限り医学・科学研究の重要な進展を伝え、国内や海外の医学界の学術交流を促進するものでなければなりません。

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